HOME ≫ 美容業界の方向け情報 ≫ PPTの性質と種類を詳しく知る
PPTおよびタンパク質を構成する主なアミノ酸は20種類。PPTを構成するアミノ酸の性質によって、補強や保湿、保護膜形成などのPPTの性質が決まります。ここでは代表的なコラーゲンとケラチンを例に、PPTの性質がアミノ酸によって決まるしくみを紹介します。
●コラーゲンPPT
コラーゲンは、ヒドロキシプロリンやセリンといった水と親和性の高いアミノ酸を多く含んでいるので、コラーゲンPPTは特に保湿性を与える効果が高いPPTです。ダメージでパサついた髪に非常に効果的です。
●ケラチンPPT
ケラチンは架橋構造を持つアミノ酸のシスチンを多く含んでいます。このためPPT同士も架橋で強固につながることができ、毛髪を補強します。ダメージを受けて弱った毛髪や加齢で細くなった髪の毛にハリ・コシを与えるのに効果的です。
PPTは出発起源となるタンパク質の種類によって多数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここではそれぞれのタンパク質とPPTの特徴を紹介します。
由来タンパク質 | タンパク質の特徴 | PPTの特徴 |
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グリシンとプロリンの合計が構成比の約50%という、特徴的なアミノ酸組成を有している。 他のタンパク質には存在しないアミノ酸(ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン)やセリン、スレオニンなどを豊富に含み、毛髪や皮膚にうるおいを与える。 |
ダメージを受けてパサついた毛髪にうるおいを与える。 | |
人の毛髪の約80%を構成している。 各アミノ酸を比較的バランス良く含む。 シスチン(架橋構造のアミノ酸の2量体)を多く含むため、毛髪タンパク質をはじめとした強靭な構造の形成に寄与している。 |
毛髪にハリやコシを与える。パーマ剤に含むことでパーマ剤によるダメージ抑制やウェーブ力向上効果を与える。 | |
繊維状タンパク質のフィブロインと、無定形タンパク質のセリシンで構成される。 フィブロインはβ-シート構造を持ち、絹独特の光沢とさらさらした感触を与える。 セリシンはセリンやスレオニンといった水酸基を持つアミノ酸を多く含むので、保湿性に優れている。 |
フィブロイン:優れた被膜性によりキューティクルを保護し、毛髪表面をなめらかにする。 セリシン:優れた保湿効果でうるおいを与える。 |
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牛乳を遠心分離器にかけて分かれた脂肪層と脱脂乳のうち、脱脂乳に含まれる。 グルタミン酸、アスパラギン酸など、酸性アミノ酸が構成比の約25%。 セリンがリン酸化したタンパク質であり、カルシウム除去効果が期待できる。 |
カルシウムを除去することで、シャンプーやコンディショナーの機能向上が期待できる。保湿効果に優れる。 | |
貝類(軟体動物)に含まれるタンパク質の一つで、アコヤ貝が作る真珠に多く含まれる。 グリシン、アラニンの合計が構成比の約50%。 セリン、スレオニンを比較的多く含み、保湿性に優れている。 |
弾力成分であるエラスチンを分解するエラスターゼの働きを抑制する。 毛髪にツヤを与える。 |
●植物
植物由来のPPTは、酸性アミノ酸が30~40%を占めており、総じて保湿性に優れています。
由来タンパク質 | タンパク質の特徴 | PPTの特徴 |
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大豆に35~44%含まれ、酸性、塩基性(アルカリ性)、中性アミノ酸のバランスが良く、栄養学的に優れている。 | 毛髪にしなやかさを与える。 | |
優秀な健康食品として注目されている。 ゴマ種子の約20%がタンパク質で、含硫アミノ酸も含まれている。 |
毛髪をなめらかにする。 | |
アレルギー性がなく、第三のビールなどに原料として利用されている。酸性、塩基性といった極性の高いアミノ酸を多く含む。 | 毛髪にさらさら感とハリを与える。 | |
日本人の食生活を支える最重要食品である。米の中で、タンパク質は2番目に多い成分(1番目は炭水化物)。 | 毛髪につるつるしたなめらかさを与える。 |